One “SMALL” step 

渡村 マイ

 

 


リバイバルのカタチ。

 

マーシャル諸島の青い海、輝く緑、美しい島々のスライド。

 

と同時に対照的な、影の歴史

23回の水爆実験。負の遺産としての世界遺産登録。

 

そんな中で、小さな島の取り組みとして印象的だったのは、

航海技術・海の知恵を伝えるために開かれているカヌー教室。

 

それは、伝統技術の継承のひとつでもあり、

ガソリンを使う生活(アメリカの支配)からの、

ひとつの試みでもあるようだった。

 

平和のメッセージとして、

戦争や原発の歴史を伝えていこうとするとき、

 

辛い過去の振り返りとか、共感って、

やっぱり人を繋ぎ止め続けておくことは難しいけど、

 

でも、

「忘れてしまうということは、

また、同じことを繰り返すということ。」

 

であれば、それはやっぱり大切に伝えていく必要がある。

 

 

でも、もしかしたら、

「過去の歴史」を、生気のない物語として伝えていくことは

返ってその事実を硬直させていくだけかもしれない。

 

 

「伝統」というものが、歴史の中で創造され、

今もダイナミックな革新と変化の中でこそ息づくように、

 

「これからの生き方を表現しよう、創造しよう!」

という実践の中にこそ、

過去の歴史がリアルな「メッセージ」として

「軸」として、力を持つような気がする。

 

 

リバイバルのカタチ。

 

ローカルでの活動も、これからの生き方を考えるための試みのひとつ。

 

 

 

 

渡村 マイ/とむら まい

静岡県藤枝市在住。琉球大学で八重山芸能研究会で活動を行う一方、沖縄映像文化研究所の活動に関わる。立教大学院文学研究科比較文明学専攻にて、アメリカ先住民の文化を学んだ後、故郷である静岡県藤枝市に帰郷。ドキュメンタリー映画上映会などの活動を開始。2009年より地元観光協会に在籍、地域を紹介する「たびいく」冊子を取材・編集。地域素材の魅力発信、地域人に出会う「ローカルツーリズム」を提唱。2012年トヨタカローラコレカラパーソン静岡代表。現在、NPO SACLABOを立ち上げ地域をフィールドに地域活動を展開中。